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北海道でロケットエンジンを開発するエンジニアのアメブロ
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  • 2012.04.01 Sunday
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優雅なひととき

いま無事オシュコシュ近くの宿でこれを書いている。

24/Jul/06(Mon) PST in Seattle
 入り江をわたる風が心地よい。対岸へわたるフェリーの船上で、前の席に座る女性の髪が美しくたなびく様子を片目に今日一日見たものを思い返してみた。

 Sea-Tacを過ぎて15分ほど走ると左側にBoeingと書かれた建物が見えてくる。この一角がBoeing社の工場群だ。その中に一つだけガラス張りの建物がある。これが航空博物館The Museum of Flightだ。
 バスを降りて目の前。いきなり強烈なストレートをいただく。F-14Aトムキャットがなにげにバス停横の芝生に置いてある。もちろん垂直尾翼にはスカルマーク。
その横にはA-6Eイントルーダー。道路を挟んで反対側のAirParkにはコンコルドとB-737,初代AirForceOneが見える。まったくなんて場所だ。。
 Admissionを済ませ真っ先に向かったのがボーイングの初代工場風というレンガ色の木造建物。この中には創業当時の飛行機の製造方法が展示されている。そう、まだ木製布張り構造の頃だ。加工機械の展示の横に二人乗りの飛行機のフレームが置いてある。良く観察すると当時の技術者が限られた材料と加工方法の中でいかに創意工夫をしモノ作りをしていたのかが良くわかる。木材のつなぎ方、金具の作り、操舵ワイヤの取り回し。職人の技とエンジニアリングが同居混在する世界が見えてくる。
 建物を中に進むにつれ年代が上がってくる。木製から金属フレームへの移り変わり、全金属製の桁構造、ラジアルエンジンと初期のジェットエンジン。そして一番奥にはB-29と現代の旅客機。特にB-29については開発時のエピソードを交え詳細に展示されていた。高射砲に被弾し垂直尾翼をほぼ失いながらも帰還した様子が誇らしげに展示されていたのは興味深い。もちろん広島、長崎の両原爆についても触れている。そうか、こんなものをガンガン作っていた国と戦っていたのか、日本は。

 カフェの横を通り過ぎ隣の建物へ移るとそこは第一次、第二次大戦時の展示だった。アメリカの機体だけでなく枢軸国、他の連合国の機体も忘れず展示してある。と、緑の翼に赤い日の丸が見える。綺麗に復元された中島製キ43隼がF4Uコルセアとならび鎮座している。独り乗りの戦闘機というのはこんなに大きなものだったか。その迫力に圧倒され建物を後にした。

 入り口に戻り右手を見ると大きなスペースに沢山の飛行機があるものは吊るされ、あるものは床に置かれた形で展示されている。ここがこの博物館のメイン展示だ。真ん中に置かれひときわ異彩を放っているのがブラックバードことA-12(実際はドローンD-21母機のM-21)だ。SR-71の元になったCIAの偵察機で、実用化された航空機の中では最速を誇る機体であり、その複雑な形状に目が釘づけになる。しかも展示機体は背中にドローンをのせている。なんてマニアックな。。
 こうやって近くからみるとなぜ当時この機体が存在できたのかが不思議になってくる。明らかに当時の航空工学の水準を大きく越えた設計がなされている。当時軍からの依頼を受け開発したのはかのロッキードマーチン社のスカンクワークスだ。彼らは現在のように協力な計算機の支援をうけることなくこの複雑なコンフィグレーションと機体形状を決定したのである。
 機体の下側にもぐるとこの機体が明らかに衝撃波を利用し揚力を機体下面で得ていたことが良くわかる。これは現在のウェーブライダー的な発想を当時既に取り込んでいたことになる。

 まず目が行ってしまったSR-71よりもっと興味深いものが実はさりげなく入り口すぐのところにおいてある。銀色に輝くフライングボディー模型の横にあるその縦長の物体はなんとXLR-11。そうX-1計画で開発されたロケットエンジン。これがむき出しの状態でさりげなく置かれている。大半の来場者はフライングボィーの芸術作品のような機体には興味を示すが、その隣に置かれている高さ1m足らずの配管だらけの物体がロケットエンジンであることにすら気づかずに通り過ぎてゆく。
 これは好都合だ。誰もいないのを良いことにカバンからメモ帳を取り出しじっくりスケッチを始めた。実は機械の構造を把握するには写真よりもスケッチなのである。写真は手軽に見た目を記録することができるが残念ながらその立体的構造が失われてしまう。また配管や配線に巻かれた素材の質感もわからなくなる。しかしじっくりと物を眺め観察しスケッチを始めると、その配管が燃料のものなのか酸化剤のものなのか、はたまた断熱材に包まれた電線なのかがどんどん読み取れてくる。結局、1時間以上その前で観察をしてしまいった。
 ふと振り向くとスタッフと警備員がこちらをみながら何やら険しい顔で話し込んでいるではないか。しまった、今はまさに某国がミサイル騒ぎを起こしている渦中なのだ。怪しまれないよう堂々とした仕草で一旦窓際にあるソワーに移動する。そこで書き写したものを見ながら、各配管の役割とそのつながり方を読み解いて行く。こっちはelectric valveでこっちらpressured gas line、こっちはhydrouric、点火器用LOXとパージラインとの切り替えには3way valve、などなど実物にしかない設計のノウハウがどんどん読み取れてくる。わからないところはまた実物のところに戻って再度確かめながら全体の構成を把握する。これはそのままhomebrew rocketの開発に活かせるだろう。
 帰り際、再び警備員と目が合った。もし後日XLR-11の展示が中止されていたならごめんなさい。それはきっと私のせいです。。。

 フェリーが対岸へ着く。接岸と同時に乗客がタラップの方へ移動していくと先ほどの美しい髪の女性もその流れに乗って船を降りて行く。

 さあ、明日はいよいよこの旅の目的地オシュコシュへ向けて出発だ。

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  • 2012.04.01 Sunday
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ロッキードロッキード・マーティンは、アメリカ合衆国の航空宇宙会社。軍需産業ではボーイング社に次ぐ。1995年3月にロッキード社とマーティン・マリエッタ社が合併して発足した。 戦闘機・軍用輸送機・人工衛星・ミサイル・スペースシャトルの部品などを製造している
  • みんなの飛行機!
  • 2006/08/12 8:59 AM
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